保護者がすべき、受験生へのサポートとは

1.現状を知る

自立できない・しない学生―自立させない親が増加

 ここ数年、高校生の『フリーター志向』、大学生の不登校、就職しても3年以内で辞めてしまう『早期退職』の増加等々が社会の大きな問題として取上げられています。

 最近の学生の中には、自立できない・しない学生、自分で考えずに誰かにサポートされないと行動できない学生が目立つようになっています。その原因は、ふだんの生活の中で、子どものやるべき範囲のことを親がやってしまう、与えてしまうケースが増えてきていることによるものです。
 実際に、入学試験の詳細や大学での時間割の組み方、教員の状況、サークルの選定、アルバイトについて等々、本来、学生本人が認識すべきことを親が直接確認するという現状があり、また、学生が就職に悩めば、安易に就職浪人、果てはフリーターを勧める親がいるのです。そうした現状を裏付けるように、高校生を対象とした、自分の進路決定で最終的に相談したいのは誰ですかというアンケート調査の結果でも、3年前からその相談相手は高校教師から親へとかわってきています。自立へと向かうべき進路選択について、親の影響力は今、非常に大きいことを理解する必要があります。まさに、子どもから成人への第一歩を踏み出すときに親がどう関わるかで、子どものあり方が変わってきます。大学の入り口から出口まで、親がどのように関わるかを真剣に考えるべきできなのです。

●自立できない、自分で考えることのできない学生が増えている
●親の関わりすぎが原因(与えられる関係で子ども自らが選択できない、しない)
●進路選択は、大人になるための大切な一歩であり、自立へのチャンス
  • 親の時代と様々な状況が異なることを知る
  • 子どもの自立を促すために、“距離”をおく
  • 親としてできること、すべきことをわきまえる