大学の就職担当者からの提言―就職編

就職がうまくいかない、しない学生

就職しない学生(若者)、就職活動がうまくいかない学生とは・・・

  1. 就職することや就職活動に「不安」を感じながらも、何をして良いか分からず、結果として何もしない学生。

    実は、「失敗」とも言えない学生もいる。失敗することに対して、我々が思っている以上に「恐怖心」を抱いている。

  2. 「やりたいこと」と「できること」の区別ができない。

    視点を変えると、「こだわり」を言い訳にして、「就職しないこと」を正当化してしまう学生。親も周囲の大人も、正面切って反論しにくいタイプ。

  3. 大人(歳の違う人間)と接したことが少ない学生。

    価値観や考え方の違う人間と接したことの少ない学生。面接で上手くいかなかったときなど、自らの価値観を全面否定されたと勘違いしてしまうことが多い。

  4. 就職試験と入学試験の違いが分からない学生。

    就職には、入学試験にあるような正解はない。でも、自分としての「答え」を出さないと前には進めない。答えを出せず、前に進めなくなってしまう学生。

  5. 就職活動自体が「自己目的化」してしまう学生。

    手帳にスケジュールを埋めることやインターネットから会社説明会やセミナーの参加申し込みをするだけで、就職活動をやったつもりになってしまう学生。実際には、何をやりたいのか、どんな人生を送りたいのかという「軸(目標)」が無いので、結局、漂うだけの就職活動になってしまう学生。

 ある大学の就職部長が、「最近大学が主催する就職フェアに父親が出席するようになった。就職事情を理解するのもいいが、ここに出席する前にもっと子どもに自分の会社のことを話してほしい」といっていた。「どんな会社か、そこでの自分の役割、そうしたことを話すだけでも、ずいぶん違う」ということだ。それを聞いて、いよいよ「入り口は母親で出口は父親がやる」という親の役割分担が現れてくる時代がきたのだろうかと感じている。

 こうした現状は、どの大学の担当者もうなずけると思うが、今、誰にあるいはどこに反省すべき点があるか議論しているわけにはいかない。大学現場は、高校からそういった生徒に丁寧にレベルをあわせた指導(教育)をしてもらいたいと望まれ、そして実際に指導制度を持ちはじめている。そうした点から大学を評価し、そうあってほしいと望んでいるのである。大学は独自の特色や個性だけに注目するのではなく、入学する学生にあわせた教育を含めた学生の支援サービスを考えていく時代に入っている。

 今、私は、多くの高校現場から講演の機会をいただくが、その約6割が保護者への講演である。そして、大学にどんな学生が入学してくるかを説明して、どこにその原因があるか、そして誰の影響を受けて育ったかを話している。少しでも間違った子育てをしないように保護者に訴えている。私の課題は、保護者が、大学選択をする際の子どものよきアドバイザーになれるようにお話しし、理解してもらい、実際に変わってもらうことである。
以下、講演の一部を紹介する。