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トップリーダーの判断力、行動力の重要性を実証した国際教養大学

はじめに

 私は、国際教養大学開学の一年前から、中嶋学長の下で入試関連のアドバイザーとして携わってきました。中嶋学長は柔軟な思考をお持ちで、私が提案することに対してすぐに理解していただき、決断、行動が速いですから、何事もスピーディに決めていくことができました。また、中嶋学長は、国立大学の学長を経験されるなどグローバルに活躍されていますので、市場の動向をよく知っておられます。

 市場とは、大学の場合は高校です。社会認知と高校認知の二つがありますが、概してトップの方は社会認知ばかりを気にする傾向にあります。もちろん、社会認知も大事ですが、実際には、学生が集まらなかったら大学は倒れるわけですから、高校認知が非常に大事になってくるのです。

 私は女子栄養大学に勤めているのですが、どこの高校に行っても「染谷さん、いい大学へ行きましたね」と言われます。これは社会認知が高いということです。ところが、「うちの高校生は選びません」と言われるのです。選んでこないというのは、高校生の市場認知がゼロだということです。実際、ある大手の調査機関によると、やはり市場認知が低いという結果が出ました。これは大変だということで、今はそこに徹底的に打ち込んでいます。

 具体的には、週に二~三回は高校を訪問して生徒にお話をさせていただいています。それから、今、力を入れているのは保護者を対象とした講演で、父母会や進路の勉強会にも出させていただいています。当然、自分の大学の宣伝になるような話はできませんが、肩書きがついて動きますから、市場認知の向上に一役買っていると思っています。

 それから、何よりも教職員の意識改革が大事になってきますが、これは皆さんが一番苦労していることだと思います。教員や職員の意識というのはすぐには変わりません。では何をすればいいでしょうか。やはり、市場のニーズに合わせた行事を行い、システムを考え、実行あるのみです。

 私自身、オープンキャンパスや専門学校の体験セミナーを倍に増やしました。ですから、毎週何かやっているという形です。若い職員たちは忙しさで悲鳴を上げ、体もガタガタだと思いますが、それでもやってもらわないと市場認知は戻らないのです。高校という市場で自分の大学の認知度を高めることが私の責任だと思っていますから、私は何にしてもハードに動き、何でもやってきたのです。

 やれと言った時に、私がこうやって座っていては若い人は動きません。オープンキャンパスの時でも、門のところに立って、そこでお辞儀をして、「いらっしゃいませ。よく来ましたね。どこから来ましたか」と笑顔で対応しています。なぜ部長があんなところまで行ってペコペコしているのだろうと思うでしょうが、今やこういう時代なのだということを職員に見せないと駄目なのです。

 いろいろな大学の成功事例を見ますと、やはりトップリーダーが機敏に動いています。業務命令を出す人間が率先垂範して動かないと駄目なのです。トップが動いて、背中をきちんと見せていれば、それで下の者も動くのです。

 このように、もともと私は現場人間ですから、現場の声を直に聞き、市場をしっかりと認識した上で、大学の情報をどのように発信できるかについて常に考えています。これを知らないと、募集力は望めないということです。